家族葬を自宅葬にて執り行うという選択肢
以前、お手伝いをさせていただいたご家族様で、直葬にするのか?それとも、一旦、ご自宅にお帰りになるかを悩まれたことがございました。
ご自宅での介護生活が長く続いていたため、奥様はとても疲れていらっしゃいました。
ご主人は体調を崩され、入院されてから一週間でご逝去されたそうです。
病院からお電話を頂いた時には、直接、四ツ木斎場に隣接するお花茶屋会館の霊安室に搬送をお願いされておりましたが、実際にお迎えにあがってみると、ご自宅に帰るかを悩んでいらっしゃいました。
どちらを選ばれたとしても、お気持ちが変わったら連絡をいただければご対応させていただきますよとお伝えすると、
『じゃあ、一度家に戻って下さい』
ということで、ご自宅のいつも介護されていたお部屋に一緒にお帰りになりました。
こたつのある畳のお部屋で、懐かしい匂いのするお部屋でした。
お線香をあげられる準備を整え、まずはお帰りなさいとお線香を1本あげていただきました。
そして、
『質素に送りたいので、明日、火葬してほしいんですけど』
と言われました。
ご意向は、わかりましたが、お亡くなりになってから24時間経たないと火葬ができないので、一番はやくて明後日の火葬になることをお伝えしました。
すると、
『じゃあ、あと1日延ばしてくれる?この人は忘れちゃってるだろうけど、結婚記念日なの』
といわれました。
そこで、その日の火葬の予約をさせていただきました。
あとは、シンプルに送るのであれば焦って決めることもないので、お疲れもあるでしょうから、明日、お打ち合わせをしましょうということで一度失礼しました。
翌朝、ご自宅にお伺いすると枕飾りには、私がお伝えした、ご飯とお団子、お水の他にお味噌汁、お新香、めざしが置かれておりました。
お元気だった頃に、毎日のように召し上がっていたメニューだそうで、ご主人がたまに
『これが、最高の朝飯だな!』
と仰っていたと聞かせてくれました。
そして、遺影にする写真を一緒に探すのを手伝ってと言ってくださったので、アルバムやお手紙が入った棚の中を全部だして捜索開始。
とても凜々しいお顔の写真が見つかり、それを遺影写真にすることが決まりました。
その後お話をしていると、少しくらいお花も飾ってあげたい、お経もあげてもらいたい、そして何かしてあげたい・・・ということになりました。
お子様がいらっしゃらなく、親戚も北海道や新潟といった遠方なので誰も呼ぶつもりはないということでした。
奥様と一緒に折り紙で、鶴をたくさん折らせていただき、メッセージカードにご主人への手紙を書いてくださり出棺前に、それをお柩にお入れになりました。
そこには、
『一緒にいてくれてありがとう。結婚してくれてありがとう。』
と書いたんだよ、と教えてくれまいした。
全てが終わり、アフターサポートの時に
『実は、介護で疲れて嫌気がさしていたの。早く解放されたいという気持ちがあったの。でも、何も言わずにただ横になっている主人を見ていたら、いろんなことを思い出して、感謝の気持ちが溢れてきたの。主人の口癖が、迷ったら面倒だと思う方を選ぶ!それを急に思い出して・・・本当に良い時間を過ごせました』
というありがたいお言葉を掛けていただきました。
今回も最後までお読みいただきまして本当にありがとうございます。
このご縁に心から“感謝”です。