足立区の神明で家族葬のお手伝い。

家族葬

足立区神明で家族葬のお手伝いをさせていただきました。

 

以前お手伝いをさせていただいたご葬儀のお話です。

 

 

故人様は80代後半のお爺ちゃんでした。

 

 

50代のご長男様とは、意見の食い違いなどから長年にわたり

あまり顔をあわせておらず、たまに顔を合わせても言葉を交わすことはほとんどなかったそうです。

 

 

お父様が危篤という連絡を受けて、病院に駆けつけたそうですが息をひきとるのには間に合わなかったそうです。

 

 

そして、打ち合わせをしている時もほとんどお部屋には

いらっしゃらず、庭や玄関のお掃除をされておりました。

 

 

お母様は、打ち合わせに立ち会ってほしかったようですが

『やりたいように、やってやりな。お金は心配しなくていいから』

とだけ仰って、あまり口出しはされませんでした。

 

 

そして、納棺式。

 

 

まずは、末期の水としてご家族皆様に故人様のお口元を潤して

いただきました。

 

 

そして、湯灌の儀。

 

清浄綿でお足下から、綺麗に拭いていただいているときでした。

 

 

今まで、いつもと変わらない様子だったご長男様が

故人様の足を拭き始めた時に、

『足、痛かったんだよな。家から出て行くときに

つまずかないように、玄関と庭、綺麗にしといたからな』

と涙を流しながら仰いました。

 

そして、

『本当にありがとう』

とも仰いました。

 

 

そこにいらっしゃった、お母様、二人の妹は絶句した後に

声を震わせて、

『急にそんなこと言わないでよ!涙が止まらないじゃない』

といってご長男様の肩を叩いておりました。

 

ご葬儀が終わって、アフターサポートの時に

ご長男様と色々なお話をさせて頂きました。

 

 

お父様は、退職されてからずっと古傷の足の痛みに苦しんで

いらっしゃったそうです。あまりスムーズに歩くことができず

ちょっとした障害物でもつまずいて転びそうになることも多かったそうです。

 

 

ずっと、まともに話ができなかったから、たまに顔を見に行った時には後ろ姿をよく見ていたそうです。

 

 

生きている時に、話したかったことがたくさんあったそうです。

 

 

でも、長年のわだかまりがあって一歩踏み出せなかったそうです。

そして、最期に何かできることと考えたのが庭と玄関の掃除。

 

 

記憶に残る、数少ない会話の中でお父様が

『玄関に物が多いと怖いんだよ。こんなところでつまずいて

転んだら死んでも死にきれない』

と仰っていたことを思い出したそうです。

 

 

ご長男様から、いただいた心に残ったお言葉です。

『後悔しないように、ご両親を大事にして下さいね。何をやっても自己満足でしかないから。嬉しいかどうかも、もう聞けないから。』

 

 

ご長男様が、痛いほどに感じた想いを私に伝えてくださった

お言葉。胸の奥に大切にしまわせて頂きます。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして本当にありがとうございます。

 

このご縁に心から“感謝”です。