足立区花畑のご自宅での葬儀
前回からの続きになります。
足立区に在住のご家族の家族葬です。ご自宅で、家族での時間を大事に過ごしたいというご意向でした。
お料理がとてもお上手だったという故人様。本当に色々なお料理をご家族にたくさん作って下さったそうです。残念なことは、そのレシピをちゃんと聞いておかなかったこと・・・
しかし、お嬢様が厚焼き玉子だけは習ったよ!ということでした。
故人様がご自宅にいらっしゃる2日間で、
①お嬢様が秘伝の玉子焼きを作ること
②故人様がお好きだった近所のおそば屋さんの出前をとること
③家族で集まってワイワイすること
④1人1人感謝の気持ちを伝えること
この4つを、ご家族と私も入れていただいた話し合いで決めました。
お通夜という儀式的なものは行わなかったのですが、
火葬の前日の夜は、かなり遅くまでご家族でワイワイされたと
お聞きしました。
家族が仲良くワイワイしているのを、台所に立ちながら
嬉しそうにしていた故人様のお顔が本当に忘れられないと
話してくれました。
火葬の当日は、皆様で出発の準備のお手伝いをしていただきました。
枕飾りにも置いてあったヤクルト。故人様のお好きだった飲み物で末期の水という儀式を行いました。
そして、皆様に清浄綿という脱脂綿を使って故人様のお身体を
きれいに拭いていただきました。
お顔や手、足に触れ込み上げる悲しみをこらえながらも
『足の裏は、そんなに触っちゃだめだよ!くすぐったがるから!』
と、ご家族皆様を笑わせてくださったご主人の言葉に涙が込み上げてきました。
そして、旅支度。足袋、脚絆、手甲をご家族皆様で協力して
お付けいただき、六文銭という三途の川の船渡し賃となるお金を頭陀袋に入れて胸元に落ちないように収めていただきました。
その後、お棺に故人様をご家族皆様の手でお納めいただきました。
そして、ご用意しておりました“お花”をお柩の中に入れていただきます。
ご家族のご希望で、お別れのお花の他にヒマワリを7輪ご用意
させていただいたものを最後にお顔のまわりに丁寧にお入れいただきました。
お嬢様が、
『ヒマワリを置いたら、笑ったよ!』とおっしゃると
ご家族皆様が涙と笑いに包まれました。
生前、故人様は大きなヒマワリの花を見ると目をキラキラさせて
『わぁ~』
と必ず感激していたそうです。
そのお姿が、皆様の目に浮かんだでしょう。皆様の気持ちが1つになったような感じがしました。
御出棺の時には、ご自宅の前にご近所の皆様が集まっていてくださいました。
ご家族と集まっていただいた皆様にお手添えいただき、霊柩車にお柩をお乗せしてドアを閉めたとき、ご近所の奥様から
『ありがとう!』
という声がかかり、その後他の皆様からも
『ありがとう!』『またね!』
という声をかけていただきました。
以下、後日お嬢様とご主人様からお話していただいたことをそのままお書きいたします。
『この狭いウチで皆で暮らしていたんです。いっぱい笑って、
いっぱいケンカして・・・でもすぐに仲直りして。どうしても
お母さんが大好きだったこの場所から送り出したかったんです。
家族の久しぶりの時間がもてたことが本当に嬉しかったです。
燈さんのおっしゃるとおり“幸せなお葬式”でした』
そして、お嬢様からは自宅で葬儀をするということに対して
わかってない方が多いと思います。是非、ウチの例を皆様にも
伝えて下さい。というお言葉もいただきました。
本当に、ありがたいお言葉をいただくことができまして感無量です。
もしも、ご葬儀に不安を感じている方でこのブログをお読みになって話を聞いてみたいと思う方がいらっしゃいましたら、お電話でもメールでも結構ですのでご連絡ください。
今回も最後までお読みいただきまして本当にありがとうございます。
このご縁に心から“感謝”です。